曳家工事・沈下修正専門会社 我妻組 のホームページご覧いただき誠にありがとうございます。
新潟市では、能登半島地震による地盤沈下の被害が相次いで報告されています。特に被災地で進む沈下修正工事では、工事内容に不備が見られるケースも多く、注意が必要です。
今回は、「他社による建物を持ち上げて終了となる工事」が発覚した事例をご紹介します。このような問題を防ぐために、信頼できる業者選びのポイントについても詳しく解説します。
震災被害の工事の実態:現場で何が起きていたのか
新潟市内のある工事現場で、他社による沈下修正工事が問題視されました。
元請の設計士が施工内容に疑問を抱き、弊社に相談されたことで発覚した「建物を持ち上げて終了となる工事」の状況は以下の通りです。
- 隙間充填が未施工
工事中、設計士が隙間充填が行われていないことに気づきました。 - 別途料金を要求
工事業者は「隙間充填は計画に含まれていない」と説明し、追加料金を要求してきました。 - 工事の引き継ぎ
弊社が現地調査を行い、建物を支える構造が不十分であることを確認。元請設計士の依頼を受け、隙間充填を含む適切な工事を引き継ぎ施工しました。
我妻組による隙間充填工事
気が付くのが施工中だったのが不幸中の幸いです。土で埋め戻される前に地盤の空洞がどうなっているのか調査できたからです。沈下修正工事後の建物はブロック杭だけで支えられていました。ブロック杭は点で建物を支えるため、一ヶ所破損すると、他のブロック杭に荷重がかかり一気に再沈下を起こします。その対策として沈下修正工事によって出来た隙間にミルクセメントを流し込みんで、建物を面で支えます。
被災地特有のリスク:安さ重視の相見積もりが招くトラブル
震災後の補助金を利用した沈下修正工事では、多くの業者が安さを武器に相見積もりで受注を狙います。しかし、見積もり内容をよく確認しないと、「建物を持ち上げて終了となる工事」が行われるリスクが高まります。
特に以下の点を注意してください:
- 隙間充填が見積もりに含まれているか
- 業者がPL保険<地盤特約>に加入しているか
PL保険に加入していない業者では、工事後の再沈下やトラブル時に十分な保証を受けられない可能性があります。
安心できる業者選びのポイント
適切な沈下修正工事を行うためには、以下の基準を満たす業者を選びましょう。
- 第三者機関による補償制度がある
PL保険<地盤特約>に加入している業者は、万が一の再沈下時も保険で補償を受けられます。 - 隙間充填を含む完全施工を保証
施工内容を省かず、必要な工程を全て見積もりに含める業者を選んでください。 - 工事の責任を明確にする
元請業者に責任が発生するため、信頼性の高い業者を選ぶことで、建物の安全を守れます。
まとめ:被災地での沈下修正工事で失敗しないために
被災地での沈下修正工事では、工事内容や見積もりの詳細確認が不可欠です。特に隙間充填が見積もりに含まれていない場合、工事後に再沈下やトラブルが発生する恐れがあります。地盤沈下対策で大切な建物を守るためにも、PL保険<地盤特約>に加入している信頼できる業者を選びましょう。
次回予告:再沈下の危険性が高い「ブロック杭だけの工事」の実態とは?
次回は、隙間充填をせず、ブロック杭だけで支えていた物件の再沈下の事例と工事の事例を紹介します。地盤沈下による建物被害を感じている方や沈下修正工事を考えている方の参考になりましたら幸いです。能登半島地震で地盤沈下の被害を受けた方は、ぜひご覧ください!
最後までお読みいただきありがとうございました。(文・我妻組 代表取締役 我妻敬太)