曳家(ひきや)とは?
曳家とは建物をそのままの姿で傷つけずに移動する技術のことです

曳家(ひきや)とは、家引きや曳屋とも呼ばれる建物を解体せずにそのまま移動すること。家やビルやお城などの建築物や樹木などの重量物をそのままの状態で移動する建築工法です。道路拡張や土地区画整理、敷地有効利用のために別の場所へ移動するために利用します。また、高地へ移動させることで湿気を避け家を長持ちさせたい時にも利用されます。現在の曳家では、基礎ごとの移動だけでなく、移動中の住居も可能で、歴史的建築物や重要文化財をそのままの姿で移動し保存する際にも利用されています。
曳家が利用される主な工事

公共工事 |
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道路拡張による建物移動 |
区画整理による建物移動 |
歴史遺産・文化財保存のための建物移動 |
巨木・巨石の移動 |

災害工事 |
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津波・浸水被害対策による高台への建物移動 |
浸水被害による基礎修繕の建物一時移動 |
地盤沈下の土壌改良により建物一時移動 |
その他、地震・水害の復興工事 |

土地活用工事 |
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駐車場確保のための住宅や店舗の移動 |
住宅増改築の敷地確保のための建物移動 |
日当たり改善のための建物回転・移動 |
余剰土地売却のための建物移動 |
曳家(ひきや)でできること

- 工事中も住み慣れた住居で普段通りの生活をすることができる。
- 引っ越しの手間が減る。
- 新築の40%程度の費用に抑えることができる。
- 移築工事より安く早く済ませることができる。
- 廃材が出にくいためエコロジーな工事である。
- 工期が移動する建物の基礎工事その他を含めて約1~2ヶ月程度で済む。
- 住宅基礎の補強、傾きや歪みを正せるので災害に強くなりやすい。
- 土地を最大限に有効利用できる。
- 店舗を営業したまま工事することができる。
- 歴史的建築物や文化財を解体せずにそのままの姿を維持できる。
- 曳家工事と免震工事を同時に行うことができる。
こんなお悩みに曳家がオススメ

- 道路拡張や土地区画整理で住宅移動を余儀なくされている。
- 建物を移動して、広くなった場所に駐車場や倉庫を作りたい。
- 古い建物を残したまま増築するためのスペースが欲しい。
- 家の向きが悪い。回転したい。
- 水害対策のため住宅を高台に移動したい。
- 基礎劣化が気になる。補修・地盤改良をしたい。
- 住宅が建っている土地が地盤沈下している。
- 日当たりを良くして浸水被害を避けるため、住宅を嵩上げした車庫を作りたい。
- 歴史的建築物など湿気による建物の劣化を防ぐために保存に適した場所に移動したい。
- 古い建物を残したまま土地を再開発したい。
曳家(ひきや)工法の種類
姿曳移動工法 (下腰工法)
土台の下に鋼材を入れ建物を受け移動する。
【主に利用される建物】木造住宅
基礎共移動工法
建物を基礎と共に移動する。
【主に利用される建物】土蔵・一般住宅・鉄筋コンクリート造・重量鉄骨造・ハウスメーカー軽量鉄骨住宅・アパート
腰付移動工法 (上腰工法)
土台と床の間に鋼材を通して鋼材と柱をワイヤー、金物で締結し建物を移動する。
【主に利用される建物】木造住宅・神社・仏閣・重量鉄骨造
曳家専門機材・資材で工事を万全に行います

我妻組では、正確で安全な工事をするために、専門の機材や資材を使っています。
また、機資材の進歩によって、道具を進化させています。
- 主要鋼材は、レールからIビーム及び角形鋼管を使用します。
- ユニットポンプは、70連同調ポンプ(14連×5=70台)でストローク200m/m の100tジャッキを70台一度に使用することが可能です。
- コロは、レンドローラーを使用します。
曳家工事の施工手順

①資材搬入・現地調査
資材を搬入し、現地調査を行います。資材置き場の支給を願います。

②掘削及ジャッキセット
掘削や鋼材等の準備をしてジャッキをセットします。

③ジャッキアップ・地切り
建物を基礎コンクリートから持ち上げます。基礎からの曳家では基礎解体、新設が不要になります。

④家縫い鋼材設置
建物に計算された配置で鋼材をセットしていきます。

⑤ローラー及道レールセット
ローラーと道レールをセットしていきます。

⑥建物移動工
建物を移動させます。現在の曳家では、基礎新設が不要のため仮置きが無くなり工期が短縮されます。さらに仮置きの用地が不要なので最低限度の用地での曳家が可能になりました。

⑦ローラー、レール、鋼材撤去
ローラーと道レールを撤去します。

⑧ジャッキダウン及レベル調整
建物位置、レベルの微調整を行います。

⑨隙間充填工
建物と砕石面にできた隙間を充填します。

⑩資材及び重機の片付け・搬出
ジャッキや鋼材など曳家に使用した道具の片付け、搬出します。

⑪曳家に伴う付帯する工事
土工・盤調査・補修工・基礎下地工・電気・設備・外構・建具調整等、建物外部から内部に渡るまで状況に応じて行ないます。
我妻組の曳家なら、地震に備えた免震構造(装置)工事も同時に行うことも可能です。
メディアに注目される我妻組の曳家
我妻組は曳家工事・沈下修正工事のプロフェッショナルです。我妻組の建物移動工事はテレビ番組として「文部科学大臣賞」を受賞するなど、テレビや新聞をはじめ多くのメディアから注目されています。
その建物に染み付いた
“歴史”も“人の想い”も全部のせて
新しい未来のために
一生懸命曳いています
株式会社我妻組 曳家職人一同