曳家工事・沈下修正専門会社 我妻組 のホームページご覧いただき誠にありがとうございます。
今回は中古住宅の不同沈下修正工事の発注から完了までの流れについて、実際にご依頼いただいた内容を元に全4回に渡るシリーズでご紹介させていただく2回目です。前回の記事はこちらからご覧いただけます。

取得した中古住宅の「基礎が沈んでいる」「壁にヒビが入っている」「傾いている」と思った方は、リフォームをされる前に参考にいただければ幸いです。

なお、不同沈下修正工事とは、地盤に何らかの変化があって沈下や不良になった建物を基礎から持ち上げて傾きを直す工事です。主に地震の影響によるケースがほとんどで、地下水の汲み上げ等によっても発生することがあります。

今回の住宅の不同沈下修正工事のケース概要は以下の通りです。

所在地埼玉県北葛飾郡
物件木造2階建て120平米住宅
相談の理由検索で弊社ホームページを見て電話で現地調査依頼
工事の理由中古住宅を取得してリフォームするための沈下修正工事
現地調査1回
沈下状態最大189mm
検討期間相談から1ヶ月半
発注理由工期に納得
工法耐圧版工法 (ラップル杭工法) ジャッキポイント28ヶ所
工期約1ヶ月半
付帯5年補償保険加入

ご依頼の中古住宅の傾き状況

不同沈下修正工事のご依頼をいただき現地調査から約1ヶ月半後の12月。とうとう施工開始です。
現場となるお客様宅に再びお邪魔しました。
沈み込んでいる玄関ポーチのタイルを剥がすと謎の空洞が露わになりました。

新築の際に杭工事を行っているとこういった謎の空洞ができる場合があります。こちらの物件は中古物件で、杭工事を行ったという資料はありませんが、このような謎の空洞があることから、地盤に杭が打たれている可能性がある事が予測されます。

施工のご紹介する前に、現地調査での施工前の住宅の傾き状況と施工開始前の状況写真をご紹介いたします。現地調査では、住宅基礎のどこがどれだけ沈んでしまっているのか、数値レベルを測って図面に書き入れていきます。今回の物件は以下のような数値レベル(mm)になっています。赤字のマイナスが大きいほど地盤沈下しています。

不同沈下修正工事施工前(埼玉県北葛飾郡)

この住宅では、最大-189mmの沈み込みが確認できました。傾斜角度が約18/1000(※)です。
(※)傾斜角度1/1000が1メートルにつき1mm傾いている状態

沈下修正工事業界では、傾斜角度3/1000ほど傾いていると人間の感覚的には違和感を感じると言われており、6/1000を超えていくと苦痛や健康被害の恐れがあると提唱されています。詳しくはこちら

今回の物件は、地震によって液状化被害が出た時に匹敵する沈み込みで、直さなければ生活が難しいレベルでした。

沈下修正施工前の状況写真

以下が施工開始前の状況写真です。ご覧いただければ見た目でも分かります。

さあ、この大きく沈み込んだ二階建ての家を基礎から持ち上げて、不同沈下修正工事をしていきます。
我妻組千葉営業所より3名の職人が現場に入りました。
施工職長は経験10年以上の飯沢です。元大工職人で頼られるリーダー格の一人です。

施主様に立会いいただき、現地で耐圧版工法 (ラップル杭工法)と工事内容ご説明差し上げました。
施工期間1ヶ月半の工事が始まります。

今回の沈下修正工事開始までのお客様の流れ

  1. 工事日程調整(1日)
  2. 施工開始時の立会い(30〜60分程度)

今回の物件は地盤沈下が非常に大きかったため、施工開始前に現状をご覧いただき入念な工事説明をさせていただきました。もし、住宅が傾いており、同じ悩みをお持ちの方のご参考になれば幸いです。
次回は、引き続きこの物件の工事状況 についてご紹介します。

最後までお読みいただきありがとうございました。(文・我妻組 代表取締役 我妻敬太