曳家工事・沈下修正専門会社 我妻組 のホームページご覧いただき誠にありがとうございます。
今回は中古住宅の不同沈下修正工事の発注から完了までの流れについて、実際にご依頼いただいた内容を元に全4回に渡るシリーズでご紹介させていただく4回目です。
前回の記事はこちらからご覧いただけます。

取得した中古住宅の「基礎が沈んでいる」「壁にヒビが入っている」「傾いている」と思った方は、リフォームをされる前に参考にいただければ幸いです。

なお、不同沈下修正工事とは、地盤に何らかの変化があって沈下や不良になった建物を基礎から持ち上げて傾きを直す工事です。主に地震の影響によるケースがほとんどで、地下水の汲み上げ等によっても発生することがあります。

今回の住宅の不同沈下修正工事のケース概要は以下の通りです。

所在地埼玉県北葛飾郡
物件木造2階建て120平米住宅
相談の理由検索で弊社ホームページを見て電話で現地調査依頼
工事の理由中古住宅を取得してリフォームするための沈下修正工事
現地調査1回
沈下状態最大189mm
検討期間相談から1ヶ月半
発注理由工期に納得
工法耐圧版工法 (ラップル杭工法) ジャッキポイント28ヶ所
工期約1ヶ月半
付帯5年補償保険加入

住宅基礎下へミルクセメント流し込み工事

ジャッキアップで元の高さまで戻った住宅の基礎下を埋め戻していきます。使用するのはミルクセメントです。
1袋25kgのミルクセメントを大量に運び込みました。1日で100袋以上を使用します。

練り込んだミルクセメントを、基礎下に這わせたハイプに流し込んでいきます。空洞がミルクセメントで埋め尽くされて固まるまで、この作業を何度も繰り返していきます。

ミルクセメントを基礎下に流し込むこと1週間。ようやくミルクセメントが地表から見え出しました。この1週間の作業で使用したミルクセメントは1000 袋以上。地中に入った25t以上のミルクセメントが固まるのを待ちます。

沈下修正後の施工箇所跡土埋め戻し工事

ミルクセメントが固まったのを確認して、工事で壊したベタ基礎周りに土を被せていきます。沈下修正によって、配管が新築時の元の位置の高さまで上がっているのが分かります。この配管や剥がしたポーチタイルに関する工事は、施主様が依頼しているリフォーム業者が住宅リフォームの一環で工事されるとのことです。

お客様に報告と立会い確認をいただき、運び込んだ重機や資材を搬出して現場作業が全て完了しました。
住宅にしては大規模になった沈下修正工事を完了させた飯沢施工職長率いる我妻組の施工班は、次の現場を求めて千葉市へ旅立つのでした。

不同沈下修正後の傾きレベル

さて、工事の結果をお知らせします。不同沈下修正工事前は最大-189mmの傾きがあった住宅がどこまで修正されたのでしょう。全ての箇所で一桁mmまで修正することが出来ました。現場の現状によって、ジャッキの追加の施工計画の修正がありましたが、施主様が当初から希望していたスケジュール通り春前に工事が完了し、お喜びいただきました。

不同沈下修正工事施工後(埼玉県北葛飾郡)

施工前の計測結果は第2回目の記事にてご確認ください。

不同沈下修正工事完了後の補償と工事業者選定のアドバイス

我妻組での不同沈下修正工事は、最低5年補償を受けることができます。また、ご希望の施主様は10年補償にも加入いただくことができます。工事後の補償にご安心いただけるのも、我妻組で不同沈下修正工事をするメリットです。

今回も工事後に報告書と補償に関する書類をお送りして、ご返送いただくことで全ての手続きが完了しました。

最後にこの記事をお読みになっている方へアドバイスです。
今回の施主様はリフォーム計画のスケジュールに合わせて沈下修正工事できることが、業者選定の決め手のひとつでしたが、もしも、沈下修正業者の選定に迷われているのでしたら、工事後の補償がしっかりしている業者をお選びください。

3.11 東日本大震災から土木業者が沈下修正事業に参入したケースが非常に多いです。これは、弊社が東北を拠点とした沈下修正工事専門業者だから言えることです。

質の良い丁寧な沈下修正工事をする業者に工事費用の安さはありません。

特に、安さを売りにしている業者をお選びする際には相当な覚悟をもつ必要があります。安さを売りにしている沈下修正業者は、工事や補償に手抜きしていることもあります。住宅の沈下修正工事の良し悪しの結果は、数年〜数十年後もそれを維持できているかであるため、工事の良し悪しを一概には言えませんが、業者選定時には十分ご留意ください。

今回の沈下修正工事のお客様の流れ

  1. 修正レベルの確認(60分程度)
  2. ミルクセメント流し込み(約1週間)お客様の立会い必要なし
  3. 工事箇所の土埋め戻し(1日)お客様の立会い必要なし
  4. 工事完了後の説明(60分程度)
  5. 工事書類と補償書類の受け渡しと提出(60分程度)

もし、住宅が傾いており、同じ悩みをお持ちの方のご参考になれば幸いです。1回目からの記事は以下よりご覧いただけます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。(文・我妻組 代表取締役 我妻敬太