曳家工事・沈下修正専門会社 我妻組 のホームページご覧いただき誠にありがとうございます。
今回は地盤沈下した住宅の薬液工法による不同沈下修正工事の発注から完了までの流れについて、実際にご依頼いただいた内容を元に全4回に渡るシリーズでご紹介させていただく3回目です。前回の記事はこちら。

住んでいる住宅が「基礎が沈んでいる」「壁にヒビが入っている」「傾いている」と思った方は、ご参考にいただければ幸いです。

なお、不同沈下修正工事とは、地盤に何らかの変化があって沈下や不良になった建物を基礎から持ち上げて傾きを直す工事です。主に地震の影響によるケースや軟弱な地盤に家を建てたケースがほとんどで、地下水の汲み上げ等によっても発生することがあります。

今回の住宅の不同沈下修正工事のケース概要は以下の通りです。

所在地茨城県稲敷市
物件木造2階建て70平米住宅
相談の理由検索で弊社ホームページを見てメールお問い合わせ
工事の理由新築後住宅に傾きを感じた
現地調査1回
沈下状態最大60mm
検討期間相談から約1ヶ月
発注理由相談から現地調査で信頼できると思った
工法薬液注入工法(地盤補強:5箇所、薬液注入量:予定20,000L、実施34,000L)
工期1ヶ月
付帯5年補償保険加入

地盤沈下している箇所へ薬液注入開始

沈下修正薬液注入工法(茨城県)

今回の施工現場は、住宅の傾きに合わせて、上記の5箇所の地中に薬液20,000〜35,000リットルを注入していきます。掘削した擁壁の下へ垣根の外側から薬液を注入していきます。

薬液の注入で地盤から住宅基礎が持ち上がりました。

写真をご覧のとおり、ベタ基礎が持ち上がっています。擁壁のズレが地盤沈下していた高さです。
すべての箇所に薬液を注入し、住宅の傾きを修正した後は、これらのズレた部分をモルタルで固めます。他の箇所も同様に掘削して、地盤の隆起のレベルを確認しながら薬液を注入していきます。

今回の現場では、施主様の希望により、施工費用を節約するために配管の切り離し作業は行っていません。掘削した箇所以外に穴や配管の亀裂があると、地表や住宅内に薬液が漏れ出してしまう恐れがあるため、慎重に周囲も確認しながら一箇所ずつ施工を進めていきます。

なお、沈下修正の施工によって配管に問題が生じた場合は、別途、施主様側で直していただく必要があります。

この薬液注入の作業は、一箇所につき、掘削1日、薬液注入3日程度かかります。また、施工時に薬液が地表に漏れ出したり、想定より薬液が必要になった場合は、施工日がさらに必要になります。今回の施工では、想定よりも多くの薬液が必要で、34,000リットルを注入して地盤の沈下を修正しました。

今回の沈下修正ご依頼までのお客様の主な流れ

  1. 施工途中、予定以上の薬液が必要になったためのご説明(数10分)
  2. 家の傾き修正の確認(数10分)

今回は、薬液注入工法の施工についてご紹介しました。
次回の記事では施工完了をご紹介します。
同様の地盤沈下で悩みをお持ちの方のご参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。(文・我妻組 代表取締役 我妻敬太