曳家工事・沈下修正専門会社 我妻組 のホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。
本記事では、2024年の能登半島地震による液状化被害を受けた住宅の沈下修正工事(新潟市西区)の事例をご紹介します。今回は、シリーズ全4回のうち「前工事編」です。
今回の沈下修正工事のケースは以下の通りです。
| 所在地 | 新潟県新潟市西区 |
| 物件 | 木造1F住宅 |
| 相談の理由 | 能登半島地震で建物が傾いたため |
| 工事の理由 | 液状化による不同沈下 |
| 現地調査 | 2回 |
| 沈下状態 | 最大142mm |
| ジャッキポイント | 約20箇所/複数回ジャッキアップ |
| 検討期間 | 見積から1ヶ月 |
| 発注理由 | 他の業者より工法の選択肢が豊富だったため |
| 工法 | 土台上げ工法 |
| 工期 | 約2ヶ月 |
| 付帯 | 5年補償保険加入 |
前回の「現地調査編」により工法が土台上げ工法に決定しました。「なぜ、この物件では土台上げ工法を選択したのか」それについて見ていきます。
基礎の強度で工法が3つに分かれる

まず、今回の築40年以上の建物です。住宅は建てられた年代の建築基準法によって構造が異なります。特に、一般住宅の沈下修正工事では、基礎の構造が工法選択を左右します。
建築基準法の住宅基礎構造
基礎の構造は、主に1981年の前後と2000年前後にに建てられた住宅では違いがあります。強度は建築基準法が改定される度に強くなっています。我妻組では基礎の強度によって工法選択を3つに分けています。
| 建築年代 | 基礎の構造 | 基礎強度と我妻組での対応工法 |
|---|---|---|
| 1981年以前 | 基礎に鉄筋が入っていない | 基礎の強度が弱い 土台上げ工法 |
| 1981〜1999年以前 | 基礎に鉄筋が入っている | 基礎の強度がある程度強い 土台上げ工法※1、耐圧板工法、薬液注入工法※1、鋼管圧入工法 |
| 2000年以降 | 基礎に法律にあわせた鉄筋が入っている 基礎と柱がボルトで繋がっている | 基礎の強度が強い 耐圧板工法、薬液注入工法、鋼管圧入工法 |
これらの物件全てに自社対応できるオールマイティーな沈下修正業者は全国でも珍しく、我妻組の現地調査は工法ありきの調査ではなく、物件状況に合わせた適切な工法選択ができるメリットがあります。
今回の物件は1981年以前に建てられていました。これらのことを予算面や条件面まで施主様にお話しして、土台上げ工法となりました。ただし、土台上げ工法には沈下修正以外にも工事が必要になる条件があります。
古い住宅の沈下修正工事
土台上げ工法の条件

土台上げ工法は、基礎下の地表から家を持ち上げるのではなく、基礎の上の木造部分を持ち上げて水平に戻す沈下修正工事の工法です。そのため、沈下修正工事以外の修繕費用がかかります。これは、基礎と住宅がつながった構造になっている土間や風呂などの設備を壊して直す費用です。これを一度壊さないと家が持ち上がりません。
したがって、一緒に住宅の一部をリフォームする必要がります。
また、この工法でのジャッキアップは手作業で行う必要があり、ミリ単位で徐々に上げていくこの作業は非常に難しい作業です。沈下修正工事業者でも出来ない業者がほとんどです。この工法ができる業者は、古い家を移動させることができる曳家工法の技術を継承している業者のみです。
土台上げ工法のための前工事
基礎と住宅つながった土間風呂を壊す
土台上げ工法のために、地元の新潟市の設備業者を手配して設備を外してもらい、基礎とつながっている土間部分を壊します。これで木造部分だけが持ち上がる下準備ができました。ジャッキをセットして沈下修正工事ができるようになります。なお、壊した風呂場は家の傾きが直ったら、リフォーム工事で新しくなります。
次回は「土台上げ工法での沈下修正工事」を現場写真から見ていただきます。古い物件の沈下修正工事をお考えの方には参考になると思いますので、ぜひ続編もご覧ください。
なお、液状化や地震による住宅の傾きに対する補助金制度が自治体によって設けられている場合があります。
詳しくはお問い合わせください。
(文責:我妻組 代表取締役 我妻敬太)


我妻組 代表取締役社長(三代目)。曳家・沈下修正職人集団を束ねるお客様相談窓口。専門家としてラジオ番組にも出演。二級施工管理技士。







